鼻がムズムズして、くしゃみ、鼻水がとまらない!目がかゆくて困る!
だんだんと暖かくなり春めいてきたかと思うと、今年も本格的な花粉症のシーズンがやってきてしまいました。
この時期になると気になるのが花粉情報ですが、天気予報やいろいろなサイトのHPなどを見てみると、
今年の予想としては西日本では例年より少なく、東日本と北日本では例年並みか去年の2倍くらいと言われています。
花粉症の方にとっては憂鬱なシーズンになってしまいそうです。
そんな憂鬱なシーズンを乗り切るために、花粉症対策は欠かせません!
花粉が飛び始める前にすればいいということはわかっていても、
実際いつからはじめればいいのか?よくわからなかったりしていませんか?
そんなお悩みをお持ちの方に、花粉症対策や最新の治療法などについて書いています。
Contents
花粉症対策はいつから始める?
現在では、日本人の4人に1人は花粉症患者だと言われています。
今まで症状の出なかった人でも、キャパシティを超えると、ある日突然花粉症を発症することもあります。
そして、花粉症と呼ばれるアレルギーの原因となる花粉は、主にスギ・ヒノキによるもので、日本特有のものだそうです。
日本に多い理由としては、建築用木材のためにスギを大量植樹したことで増えてきたからです。
スギ以外にもヒノキもそうです。ただし、スギの少ない北海道はシラカバによる花粉が多いそうです。
症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ(結膜炎)、のどのかゆみが最大の特徴で、
他にのどの痛みや頭痛、だるさ、微熱など、風邪と似たような症状も見受けられます。
風邪と違うのは、花粉が飛んでいる時期はずっと症状が続き、サラサラした鼻水が垂れてきたり、
目やのどのかゆみがひどい場合が多いため、集中力が散漫になったりします。
では、いつから対策を始めればいいのか?ということです。
まず、スギ花粉の飛散時期ですが、例年だと、2月上旬から中旬くらいまでには飛び始めます。
花粉が飛散し始めると、テレビなどの天気予報や、気象庁のHPなどでも、花粉情報を知ることができます。
地域や、その年の1月から2月の気温次第では、時期が早まったりします。
そして、だいたい春一番が吹いた後、気温が上がり始める3月上旬から中旬にかけて全国的にも花粉のピークを迎えます。
つまり、花粉症対策は、その飛散の時期からさかのぼって約8週間前から始めるといいとされています。
ということは、早くても12月末から1月くらいから花粉対策を始めるとよいでしょう!
ここでは、2015年版最新の花粉症対策や治療法について、厳選したものをいくつかご紹介します。
花粉症対策グッズ マスクやメガネでしっかりガード
花粉症対策の第一歩として、花粉を体内に侵入させないことです。
花粉は目・鼻・のどの粘膜に付着しやすいため、それらをしっかりガードすることが大切です。
そこで、真っ先に思い浮かぶのは、マスクや専用のメガネをつけることだと思います。
スギ花粉は直径30ミクロンほどで、ウィルスや細菌よりは大きいと言われています。
最近では、高機能・高性能なマスクや、ゴーグルよりはおしゃれな花粉専用のメガネなどが販売されています。
例えば、マスクでは、顔の形に合わせて立体的に作られたものは、隙間ができにくくピッタリとフィットし、
花粉やウィルスの侵入をガードしてくれます。
他にも、鼻の通りを良くしてくれるメントールマスクや、高フィルター機能でPM2.5や花粉もシャットアウトしてくれるマスク、
寝ている間にのどを潤してくれる就寝用マスク、女性の顔にフィットする女性専用のマスク、子供専用のマスクなどなどがあります。
また、花粉専用のメガネもだいぶおしゃれなものになりました。
少し前は花粉を入れないようにするために、ゴーグルで目全体を覆っていましたが、
それにマスクを合わせると不審者のように見えたり、まったくおしゃれ感は0で、抵抗感もあったかと思います。
最近では、普通のメガネと変わりないおしゃれなデザインのものも多くあり、
例えばJinzやZoffなど若者に人気のメガネメーカーからもお手頃価格で販売されています。
花粉が飛びやすい条件は、晴れや曇りで気温が高い日、そして乾燥しているときや、風の強い日に多く飛びます。
さらに、雨が降った後、晴れてくると、雨と一緒に落ちてきた花粉が乾燥して舞い上がってくるため要注意です。
花粉は日中だけかと思いきや、特に都会などアスファルトでは花粉が残っていることが多く、
夕方になると舞い上がってきて再び症状が出やすくなってしまいます。
なので、出かける際は、マスクや花粉専用のメガネなどのグッズでしっかり予防対策をしましょう!
それと、髪の毛につくこともありますので帽子をかぶるのもおススメです。
マスクやメガネを正しく装着(隙間を作らずぴったりフィットさせる)すれば、花粉を6割カットできます。
さらに、マスクの内側に薄いガーゼを入れたり、内側を少し湿らせておくと乾燥も防げるのでおススメです。
そして、家の中に花粉を入れないためには、室内に入る前は、衣服についた花粉をよく落とします。
最近は、花粉をガードする素材の衣類や、静電気スプレーなどで衣類に花粉をつけないものも販売されているので、
外出前にひと吹きしておくといいですね。
そして、手洗い、うがい、洗顔や洗眼を徹底して体内に花粉を入れないようにしましょう!
花粉症対策 薬(市販薬含む)
マスクやメガネでガードしても、体内に花粉が入ってしまった場合、
くしゃみ・鼻水・鼻づまり・のどの痛みやかゆみ、目のかゆみなどといった花粉症の症状が出てしまった場合は、
それらの症状を和らげたり抑えたりするには、やはり薬が効果的で、耳鼻科や眼科などで処方してもらうのが一番です。
花粉症の薬というと鼻炎の症状を抑えるための抗ヒスタミン薬が処方されます。
抗ヒスタミン薬はさらに、第一世代と第二世代(抗アレルギー薬とも言われる)とに分類されています。
次に代表的な花粉症の処方薬を挙げてみます。
抗ヒスタミン薬 第一世代
・ポララミン
抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬) 第二世代 Ⅰ類
・アゼプチン
・ゼスラン
・セルテクト
・ザジデン
抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬) 第二世代 Ⅱ類
・アレグラ
・アレロック
・アレジオン
・ジルテック
・タリオン
・ザイザル
最近注目を浴びている第二世代の抗ヒスタミン薬は、花粉症の原因物質であるヒスタミンによって引き起こされる、
くしゃみ・鼻水・鼻づまり・のどのかゆみ・目のかゆみなどの症状を軽くし、
症状が出始めるのを遅らせる、つまり出てしまったヒスタミンを抑えるのでなく、予防効果が期待できます。
効果が現れるのに1か月くらいかかるものが多いため、花粉が飛び始める2週間くらい前から飲み始め、
花粉のシーズン中も飲み続けることで、症状が軽く済むようになります。
もともと軽い花粉症の方なら、これで十分です。
それほど強い薬ではないので、飲み続けても副作用が少ないので安心です。
また、第二世代の抗ヒスタミン薬は、種類が多く、Ⅰ類とⅡ類に分けられます。
比較的眠気は少ない方ですが、Ⅱ類の方がⅠ類よりも眠気は少ないです。
それでも効果や副作用(眠気が多い)に関しては、個人差があるため、医師と相談しながら自分にあった薬を処方してもらうとよいでしょう!
そして、古くからある第一世代の抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンの働きに直接的に作用するので、
第二世代の抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)よりも症状の改善を実感できます。
花粉症の症状がひどいとき、花粉の飛散量が多いときに速効的な効果を発揮したり、すでに出てしまった症状にも効果があります。
ただし、持続時間が短いので、長時間の効果は期待できません。
それと、くしゃみ・鼻水に関しては効果がありますが、鼻づまりに関してはほとんど効果がないことがわかっています。
また、副作用としては、第二世代の抗ヒスタミン薬よりも強く感じる場合があります。
例えば、眠気、口の渇き、倦怠感が顕著に表れる場合があります。
その他にステロイドがありますが、鼻の粘膜の炎症やかゆみなどのアレルギー反応を抑える効果があります。
効果は非常に強力なので、症状の重いときに使用し、連用は避けます。
とはいえ、仕事が忙しくてなかなか通院できない方もいるでしょう!
最近では、アレグラやアレジオン、ザジテンなどのアレルギー性鼻炎の市販薬も販売されるようになりました。
市販薬は処方薬よりは効き目が弱いものでしたが、もともと処方薬だったものが認可されるようになったので、
こちらを試してみるのもよいでしょう!
・アレグラFX
・アレジオン10
・アルガード鼻炎内服薬ZⅡ
・ザジテンAL鼻炎カプセル
・パブロン鼻炎カプセルなど他の市販薬
ただ、これらの薬も症状が出てからでは遅かったり、あまり改善されなかったりします。
予防という意味では、1月下旬くらいから飲み始めると、花粉が飛び始めてもある程度の症状を抑えることができますよ。
花粉症対策 治療(注射・舌下免疫療法・レーザー治療)
もう、つらい花粉症とはさよならしたい、症状を出なくしたい、根治を目指したいという方には、
注射・舌下免疫療法・レーザー治療があります。
これらは内服薬とは違い、効果としては実感しやすいですが、メリット・デメリットがあるということ、
安心・安全に治療を受けるためには情報収集が必要です。
次に具体的に紹介していきます。
注射
花粉症の注射療法にはいろいろあります。
①ステロイド注射薬
1シーズン1回だけであらゆるアレルギー反応を抑え、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状をすっきり改善してくれるものです。
注射を打った翌日にはピタッと症状が出なくなるほどの効果がありますが、副作用も強いです。
主な副作用としては、不妊症、生理不順、骨粗しょう症、免疫力の低下、体がだるい、糖尿病、電解質異常、胃潰瘍、肥満、
顔などのむくみ、皮膚の委縮や陥没、緑内障などがあり、一度副作用が現れると1シーズン続くことがあります。
こうしてみてみると、女性はホルモンバランスを崩す危険もあり、特に注意が必要で、
注射を打つ場合は避妊をすすめられます。(3か月から1年)
②アレルギー物質注射(減感作療法)
アレルゲンを含む原因物質(スギ花粉)を体内に少量入れる方法で、注射で皮下に免疫をつけていき、花粉症錠を出ないようにするものです。
メリットとしては、副作用が少ない、注射した個所が赤くなる程度で、妊婦さんや子供でも注射することができます。
デメリットとしては、スギ花粉に対しては有効で、それ以外の花粉にはたいした効果は見られないことと、
まれに喘息発作、アナフィラキシー反応が起こることがあります。
また、保険が適用され、費用は1回数百円程度ですが、何度も注射しないといけないこと、
個人差にもよりますが、最初は週1~2回の接種からはじめ、注射の量が増えると回数は接種間隔はあきますが、
最低3年は続け、途中でやめてしまうと効果が十分出なくなるので、根気のいる治療です。
③ヒスタミン注射(ヒスタグロビン注射)
非特異的減感作療法と呼ばれ、ヒスタグロビンは国内献血由来の血液から抽出したものです。
減感作療法との違いは、特定のアレルギー物質(スギ花粉)だけではなく、
いろいろ免疫があがるものを注射し、アレルギーに対して免疫をつけていきます。
メリットとしては副作用が少ない方ですが、まれに眠気、めまい、頭痛、嘔吐が見られ、
念のため女性は生理前、生理中、妊娠中は控えます。
デメリットとしては、注射の回数が多いことです。
保険が適用されますので費用は注射のみだと約500円程度ですが、週2回程度、6回接種することになります。
レーザー治療
レーザー治療とは、鼻の粘膜にレーザーを点射して、粘膜を凝固させ、アレルギー反応を起こしにくくし、症状を緩和させるためのものです。
花粉症だけでなく、通年性のアレルギー性鼻炎に対しても有効です。
花粉症の場合は、シーズンが始まる前に治療すれば、そのシーズンおよび1~2年くらいは症状が改善されますが、
粘膜が再生するとともに効果が薄れてきますので、花粉症が完治するということはありません。
(その後の治療はだいたい2~3年の間隔をあけます)
レーザー治療は、治療法としては高い効果と持続性があり、副作用も少ないです。
出血も少なく簡単な表面麻酔で約10分間くらいの治療で済みます。
痛みもほとんどなく、入院の必要はありません。
レーザー治療後は、しばらくは鼻の粘膜がカサブタのようになり、鼻炎や鼻づまりの症状が強くなったり、
まれに焦げ臭いにおいを感じたり、頭痛が続く方もいるようです。
その後はまったくといっていいほど症状が改善されます。
費用は1万円前後です。
レーザー治療は、安心して治療を受けられる病院を選ぶことが重要です。
レーザー治療の知識や技術はもちろんのこと、治療環境や設備が十分に整っていることや、
治療を受けるにあたってのリスクなどの説明、治療前の検査やアフターケアがしっかりしているかということも見極める必要があります。
舌下免疫療法
花粉症の治療と言えば、抗ヒスタミン薬を飲むのが一般的で、
一時的に花粉症の症状を抑えるためだけで、毎シーズン飲み続けないといけません。
舌下免疫療法は、2014年10月から保険適用になった新しい花粉症の治療法の一つで、
すべての方にとはいきませんが、70~80%の方に有効で、完全に症状が消える方は20~30%程度で、
症状の軽減・寛解、つまり花粉症を治すことが夢ではなくなりました!(ただしスギ花粉のみ)
舌下免疫療法は、注射と同じく、アレルゲンを含む原因物質(スギ花粉)を体内に入れる方法です。
注射とは違い、舌の下の粘膜にスギ花粉のエキス(シダトレン)を投与し、体内に少しずつ吸収させます。
継続的に行うことで、徐々にスギ花粉に慣らせていき、症状の軽減が期待できます。
治療は最低3年間、毎月1回続けることで効果が現れてきます。
治療を始める時期は、花粉の飛散3か月前(11月くらい)、もしくは花粉シーズンが終わる6月ころからが理想的です。
治療を受けられる年齢は12歳以上から、高齢者までです。
ただし、次のような方は舌下免疫療法はできません。
・妊娠中
・喘息や気管支喘息の症状がある(喘息の発作を起こす可能性がある)
・重症の口腔アレルギーがある(重症な副作用、アナフィラキシーを引き起こす可能性がある)
・抜歯後などの口の中に傷や炎症などがある
・ステロイドや抗がん剤、β阻害薬使用など特定の薬を使用している
副作用は、主に口腔内のかゆみや口唇の腫張、咽頭刺激感、喘息発作、消化器症状、腹痛、嘔吐などが報告されています。
費用は、初回は血液検査などもあり、数千円かかりますが、2回目以降は再診料と薬代で1500円前後です。
花粉症対策・最新治療法のまとめ
花粉症対策は、花粉を体内に極力入れないことです。
天気予報などの花粉情報をチェックし、外出時にはマスク、メガネ、帽子をつけるとよいです。
衣服はツルツルした素材など花粉がつかないものを身に着けたり、静電気スプレーを吹きかけておくなどします。
部屋の掃除や換気をよくし、室内に空気清浄器など置くのもおススメです。
そして、花粉が体内に入ってしまった、症状が出始めてしまった場合は、
耳鼻科や眼科などで処方されるお薬(抗ヒスタミン薬)で症状を軽減させます。
さらに、症状を抑えたい場合は、注射やレーザー治療、そして最近話題になっているのが舌下免疫療法があります。
ただし、注射は即効性はありますが、副作用が強いのが難点、レーザー治療は比較的副作用は少ないものの、
粘膜は再生されるため、根治は難しいと言われています。
それらに比べ、舌下免疫療法は、最近保険が適用になり、副作用も少なく、
7割くらいの方に完治が期待できる新しい治療法として注目を浴びています。
このように、花粉症はまず予防することからはじめ、処方薬などで様子を見て、
症状がひどくなるようだったら、次のシーズンに向けて、他の治療法などを試してみるといいと思います。
注射やレーザー治療、舌下免疫療法を安心して受けるには、知識と技術や設備が整った信頼のある病院を探すことが重要です。
副作用やリスク、メリット、アフターケアがしっかりしている病院を選びましょう!