近年の夏はどんどん気温が高くなる傾向にあり、そのたびに毎日のように熱中症の注意を呼びかけています。
熱中症は小さいお子さんや高齢者の方がかかりやすいですが、油断すると誰もがかかりやすい症状だとも言えます。
熱中症にかかってしまったら、的確な処置をしないと命に関わることも!
ここでは、熱中症の症状とかかってしまったらどうすればいいのか?
そして、かからないようにするための予防や対策法などについてご紹介してきます。
熱中症の症状について
熱中症の症状が出始めるのは5月ごろからで、9月ごろまでは注意が必要です。
5月ごろというのは、肌寒かった日から急に暑くなったりする日もあり、体が気温の変化についていけないからです。
また、6月は梅雨の時期で湿度が高くなることが原因になります。
熱中症というのは高温、多湿、風がないという条件で起こりやすくなるため、
炎天下での運動はもちろんのこと、室温の高い室内に長時間いるだけでも熱中症になります。
少しでも体調の異変に気づいたら(頭が痛くなったり、めまい、吐き気がするというような症状が出たら)
体が脱水状態になっているかもしれませんので、注意しましょう。
そして、汗をたくさんかいたら、こまめに水分補給することが大切です。
次に、熱中症の具体的なタイプ「熱失神」「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」の4タイプについて簡単に説明します。
①熱失神
熱を体外に逃そうとして皮膚の血管が広がり、脳への血流が減ることで、めまいや冷や汗、一時的に意識障害が起こる。
②熱けいれん
汗をかいた時は水分だけでなく塩分も失われているため、水分と塩分を補給することが大切。
水分だけ摂取すると、血液中の塩分濃度が低下するため、筋肉痛になったり、手足のけいれん、こむら返り(ふくらはぎがつる)などの症状が出る。
③熱疲労
大量の汗をかいているのに自分で水分補給ができないくらい、全身のだるさや吐き気、嘔吐していたり、頭痛がする。
このときの体温は40度以下ではあるが、体が熱くなっている。
④熱射病
体温が40度以上になっていたり、汗をまったくかかなくなったなどの体温調節機能が働かなくなるのと、
全身の臓器に障害が出るなど、脱水症状の悪化につながる。
熱疲労から症状が進むと熱射病になり、死に至ることもある危険な状態なので、すぐに救急車を呼びましょう。
もちろん、熱失神や熱けいれんの時点で早めの対応が必要です。
的確な処置をして、熱疲労や熱射病まで進行しないようにしましょう。
熱中症になったら?頭痛や熱、下痢などの対処法
なんとなく目の前がクラクラして頭がボーっとしてきた、これって熱中症なの?というときは、
以下の症状があるかどうか、もう一度チェックしてみましょう。
①めまいや顔のほてり、体温が高い
めまいや立ちくらみ、顔がほてる(顔が赤い)の症状が出る。
体温が高くて体を触ると熱い。
一時的に意識が遠のいたり、腹痛(下痢)が起こることも。
②筋肉痛や筋肉のけいれん
こむら返り(手足の筋肉、特にふくらはぎがつる)の症状が出る。
筋肉がピクピクとけいれんしたり硬くなる。
③体のだるさや生あくびが止まらない
体がぐったりして、力が入らない。
生あくびが頻発して出る。
④汗のかきかたがおかしい
汗が出過ぎたり、あるいは体内に熱がこもってまったく汗をかかない。
⑤頭痛や吐き気、嘔吐
頭が重かったり、ガンガンしたりと片頭痛のような症状が出る。
ひどくなると、吐き気、嘔吐することも。
⑥呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
声をかけても反応しない、うわごとを言う。
体がガクガクしたり、ひきつけを起こしたり、まっすぐ歩けない。
重度の熱中症のため急いで医療機関を受診する。
⑦水分補給ができない
呼びかけに反応しないのと、自分で水分補給できない場合は危険な状態のため、
すぐに医療機関を受診する。
そして、熱中症になってしまったら、以下の処置を速やかに行います。
・日陰や風通しのよい涼しい場所に移動して体を休める(体からの熱の放散を促す)
・横になり、衣服を緩めたり、靴を脱ぐなどして、楽にさせる。
・体内に熱がこもっているために、体温が上がってくるので、体が熱い場合は冷やす。
保冷剤や冷却シート、濡らしたタオルなどを動脈や太い血管の通っているところ(首の後ろ、脇の下、鼠蹊部)に当てて冷やす。
・水分と塩分の補給をする。
暑さによって大量の汗をかくと、体内の水分とともに塩分も失われます。
水分補給だけでは脱水症状につながるため、水と塩分と少しの糖分を摂るようにします。
経口補水液(OS-1)には、水に食塩とブドウ糖が体液と同じバランスで含まれているためおすすめします(熱中症以外にも下痢やおう吐、発熱時、脱水症状に効果がある)
スポーツドリンクを飲むなら、甘さを控えめにし、ナトリウムが含まれているものにします。
一気に飲むのではなく、少しずつ飲むようにします。
経口補水液がない場合は、塩飴や梅干、塩分タブレットのようなものを常備したり、携帯しておきます。
経口補水液は、自分で作ることもできます。
水1リットルに対し、塩3g、砂糖40g(500mlの場合は半分の量で調節)を入れます。
さらにレモンやグレープフルーツのしぼり汁を加えるとよいです。
熱中症にかからないための対策、予防についてと指数とは?
熱中症は一度かかると、体調が回復するまでに数日以上かかる場合もあります。
体温調節がうまくいかなくなり、自律神経が乱れているのでそれが正常になるのに少し時間がかかるのです。
というわけで、最後に、熱中症にかからないための対策や予防についてご紹介します。
熱中症を予防するには、暑くなる前から、暑さに負けない体つくりが大切です。
熱中症は気温が上がり始める初夏(5月ごろ)からかかりやすくなるため、普段から適度に体を動かして汗の通り道(汗腺)を鍛えておきます。
暑くなってからの体温調節がスムーズになり、体内に熱がこもることのないようにします。
また、バランスの良い食事と十分な睡眠をとることも重要になってきます。
健康的な体つくりをすることで、熱中症にかかりにくくなります。
そして、必要以上にエアコン(冷房)に頼り過ぎないことです。(気温と湿度に注意して室内の場合は風通しをよくする)
体を冷やさないためにも、冷たい飲み物や食べ物を摂り過ぎないようにします。
一番重要なのは、のどが渇いていなくても、こまめに水分を摂ることです。
その時は水だけでなく、塩分(ナトリウム)も同時に摂れるようにします。
スポーツドリンクや経口補水液、塩分や糖分がバランスよく含まれた飲み物だと、
汗で失われた水分とミネラル(塩分など)の体内への吸収がスムーズになります。
ただし、普段から塩分を多く摂っていると思われる人は、大量の汗をかかない限り必要ありません!
むしろ、塩分過多にならないように気を付けます。
さらに、衣服や寝具は通気性や吸水性の高いものを使います。
エアコンや扇風機を上手に利用して、就寝中の熱中症や脱水症を防ぐと同時に、睡眠不足にならないようにします。
首元などの太い血管が体の表面近くを通っているところを冷やすと、効率よく体を冷やすことができます。
日中外出する際は、帽子や日傘をさして直射日光を避けます。
適度に運動する際も日陰を選んだり、朝や夜などの涼しい時間帯に行います。
とはいっても、どうしても、暑いシーンや場所に行くようなことがあると思います。
その際は、飲み物を持ち歩き、休憩をこまめにとります。
出かける前に、テレビやWEBなどで、その日の熱中症指数をチェックするなど、あらかじめ危険度を察知しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
熱中症にかからないようにするためには、気温が高くなってくる前(初夏ごろ)から、暑さに負けないような丈夫な体つくりをすることです。
日常的に適度な運動(ウォーキングなど)で汗をかくようにします。
バランスの良い食事を摂り、冷たいものを過剰に摂取しないようにしましょう!
睡眠不足も熱中症の原因になりますので、寝室は快適に眠れるようにエアコンや扇風機を上手に利用しましょう。
出かける際は、テレビやWEBなどで熱中症指数を確認し、危険度が高い場合はなるべく外出を控えるようにしましょう。
どうしても暑いシーンや場所へ行く際は、帽子や日傘を利用する、飲み物を持ち歩く、こまめに休憩を取るようにしましょう。
関連記事
熱中症による頭痛・吐き気の原因と対策|頭痛薬ロキソニンとサプリメント